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桜庭一樹「ブルースカイ」

今朝の新聞で、ジブリの次回作でゲド戦記をやるらしいのを知りました。私が言うことでもないですが、ゲド戦記は映画化するには向かないかと思います。実写じゃないだけまだましですけど。ハリポタとかみたいに派手派手しい魔法も出てこないし、ナルニアみたいに世界が綺麗な訳でもないので映像にしにくいかと思います。ゲド戦記自体、結構内面的だったり社会問題についても書かれてたりするところが高い評価を得ている(つーか自分が好きなだけですが)作品だと思うんで、それがたかだか2、3時間でちゃんと表せるかどうか不安です。人種差別とか女性蔑視とか。それに、ファンタジーとはいえ小さい子が読んでもあんまり楽しい話ではないですしね。
まあ他の会社がやろうとするよりゃ、ジブリがやるのが一番よい作品にはなると思います。どうもゲド戦記の中では一番王道で盛り上がりやすそうな巻をもとにするようですし。

桜庭一樹「ブルースカイ」
大きく三部ぐらいに分かれてる作品ですが、実質物語の本筋となるのは最後の章だけな気がします。桜島の噴火に巻き込まれ、その時セカイと繋がっていたもの(携帯使ってた少年少女)は他の時空に行くすべを知ってしまいます。彼らは爆発から逃れるため時空の穴を取りぬけようとしますが未来から来た時間管理者たちによって阻まれ、また他の時代に行くことができたものも時間管理者に追いかけられ捕まり、元の時空に連れ戻されてしまいます。つまり、管理者に捕まる=噴火に巻き込まれて死ぬ、な訳です。これが最後の最後までわからない訳ですが。
この噴火に巻き込まれた少女青井ソラが、中世ドイツと未来のシンガポールに行くのが一部、二部です。この二部の未来のシンガポールでは「少女」はすでに絶滅していて、それに替わるものとして「青年」という存在が生まれてます。「青年」は本気で恋ができず流されているだけ。「青年」の恋愛の対象物となれる少女が既にいなくなっているという設定が楽しかったです。
by mizuao | 2005-12-14 15:07 | 本(著者サ行)
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