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日経コミュニケーション編「ARのすべて」

 親がここ二週間ほど中欧に行ってきていたのですが、その間に取ってきた15時間に及ぶビデオを見せられ続けています。アウトバーンを200キロ近くで走っているようなんですが、ドイツの北の方ってどこまでも平らですよね。世界地図とかで見ててもやたらと黄緑色に塗られる平地部分が多かった覚えはありますが、丘一つない感じです。そこで家畜が放し飼いにされています。日本の感覚だと、そういう土地は人間様が住むところなんですけどね。

日経コミュニケーション編「ARのすべて」
 拡張現実。夏前ぐらいに寧々さんに関するARもどきの動画が上げられてましたけど、あれは実に素敵でしたよね。オチ部分は無理として、デバイス越しに嫁を現実にオーバーレイさせる、というのが実際にできるようになるまで、あとどのくらいかかるのでしょうか。まさにリアル電脳メガネです。この本の中でもクリッカブル・ワールドという言葉が出てましたが、ラギッドガールしかり、どうもまだARはSFというか近未来の技術という印象を持ってしまいます。
 この本の中で紹介されているARの実用例を見ていると、まだいまいちぱっとしない感じがします。セカイカメラは初めて知った時はすごいとは思ったんですが、空間がゴミのようなタグで埋め尽くされるだけのような気がしてなりません。ロボット型検索エンジンも、表示順で上位に上がってこようとするエロサイトとのいたちごっこの末に進化したというような話も聞いたことがありますし、まあやってるうちになんとかなるのかも知れません。
 この本を読んだ印象だと、ARそのものの技術どうこうというより、まだ発想が追い付いていない感じですよね。もはやなくなってしまった建物を遺跡の上に再現、とかすごいとは思いますが、どうも局所的というか喜ぶのは内輪だけという感じがします。地図替わりに使うというのも、地図の方が使い勝手はいいような気がします。ゲームの中で、矢印でプレイヤーキャラの向かうべき方向が指示
されることがありますが、あれってかえって迷うような気がするんですよね。まあARがもっと一般的になれば色々思いつく人も出てくるのでしょう。 
 
by mizuao | 2010-09-18 21:00 | 本(著者ナ行)
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