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宮本幸枝「津々浦々お化け生息マップ」

 仕組みを知らないで使っている道具がいったいどれだけあるだろうと、情報処理関係の本を読んでいて思いました。横文字やら英数字の羅列やらみてると頭がいっぱいいっぱいになってきますが、とりあえず日常生活で困らない程度にはPCを使っています。他にも、なんで動いてるか分からないけど、なくなったら生きていくのに不自由しそうなものがいっぱいです。

宮本幸枝「津々浦々お化け生息マップ」
 頭が悪そうなタイトルの本ですが、まあ実際真面目なものではありません。が、オカルトめいている訳でもなく、単に伝承や事実の羅列といった形で比較的客観的に紹介しているので、娯楽本として気軽に楽しめました。
 地方別に、日本のお化けや妖怪を紹介しているんですが、関西の章で盛大に吹きました。コラムのような扱いで、

「関西女はパワフルやでぇ! 燃える女心で蛇になれ 清姫の里編」
「関西女はパワフルやでぇ! 宇治川の流れよりも激しい嫉妬 橋姫と貴船編」。

 阿修羅姫歌ってる静留さんと、リア充にぱるぱる光線中のパルスィが仲良く肩を並べているところが思い浮かびました。まあ清姫も橋姫も、間違いなくパワフルですよね。情念で鬼となった女性の代表格でしょう。男性側の自業自得としか言いようはないですが、この二人に追いかけられ祟られた男性陣の恐怖は相当なものだったでしょう。羨ましいことです。
 あとは皿屋敷の話も面白かったですね。「いちまい、にまーい・・・」と皿を数え、「いちまいたりない」となげくお菊さん。誰もが知ってるメジャーな怪談だと思ってましたが、これに全国48ヶ所以上もバリエーションがあるのは知りませんでした。そんな中で”カッコイイ”と紹介されている皿屋敷伝説。以下引用。
 
 ある家の下女が『一枚割ればその者の命を絶つ』と言われていた20枚一揃えの家宝の皿を1枚割ってしまい恐れおののいているところへ、この家の米搗き男がやってきて、そばにあった米搗き用の杵を振り上げ、20枚すべての皿を打ち壊してしまった。男は『皿は所詮いつかは壊れてしまうもの。皿1枚壊すたびにひとりの命を絶つのなら、20枚で20人もの命が奪われることになる。ひとりで一度に20枚壊せば、自分ひとりの命ですむ』と、呆気にとられている人々の前で堂々と言い放った。

 という伝説らしいんですが、確かにこれはかっこいい。なんとかこれを従者と門番版に改変できないか、昨日から頭を悩ませています。
by mizuao | 2010-01-22 17:01 | 本(著者マ行)
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