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つばな『第七女子会彷徨』

 なのはの再放送を見ていて、八神一家のラブラブっぷりにあてられました。家族愛も良いですよね。あんなに素直で母性愛に満ち満ちているはやてが、なぜセクハラ狸になってしまうのか。なぞですね。 

つばな『第七女子会彷徨』
 女子高生奇天烈SFとか帯に銘打ってあるので、女子高生が砂漠やら異世界やらに跳ばされ彷徨う話と思うかもしれません。でも「彷徨」するのは主人公たちじゃなくて、読者の側だったんですね。現実と地続きのような近未来(多分)で、唐突にSF的事態が起き、何事かと思います。
 それに対して主人公たちがびびってそれなりのリアクションを取ってくれれば、こっちも落ち着くんですが、彼女たちがあまりに当たり前のように受容してしまうので、こっちもどんな反応をとっていいのか分からなくなります。スルーしてるとかそういう訳ではなく、いったん自分の中に招き入れてから受け流しているというか。同じCOMICリュウのまんがの作り方と空気が似てるかもしれません。読んでる方が、お前らそれでいいのかと突っ込みたくなる感じ。
 主人公二人は、私の中ではニアとまゆ子に変換されました。高木さんはまんまニアですね。頭の中がブラックボックス。行動の予測が全く不能なタイプ。タコ足が生えたメロンパンにかぶりつき、メロンパンが飛んで逃げたことに、「ありえない!タコなのに飛ぶなんてッ!!」。車に撥ねられ息絶えたメロンパンに、「ジュンイチー!!」。……ジュンイチって誰だよ、と突っ込む読み手に、金やんが「うちの父さんと(名前)同じだし!!」とかボケをかぶせてきます。もう読んでる方としては、突っ込むのはそこじゃあない。あのパン屋宇宙人に乗っ取られてるぞ、何とかしろ、と次の展開にハラハラする訳ですが、この訳の分からない話が結局高次の生命体に手を差し伸べられ拒絶したりする話になるので、本当に油断なりません。食べたつもりガムとか、バーチャル天国とか、一つ一つのアイデアはどこかで聞いたようなものなので、この面白さはこのキャラクターと作品の空気にあるんでしょう。人として軸がぶれているというのは、この二人に捧げるべき言葉だと思いました。
by mizuao | 2009-11-17 23:38 | 漫画
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