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カズオ・イシグロ「日の名残り」

作者はイギリスの有名な作家さんだそうです。イギリスの執事さんが休暇で国内をドライブ旅行し、過去の邸内での出来事を回想していくという話でした。執事さん一人称の文章は回顧録めいていて、執事さんの生真面目で融通のきかない人格がにじみでています。物語中に執事に次第に想いを寄せていく女中頭が出てきますが、物語を読むこっちは気付いてるのに執事さんは全く気付きません。女中頭のアプローチも華麗にスルーです。イギリス風俗や時代背景、執事の思想など見るべき所は沢山ありますが、このスルーっぷりが印象に残りました。
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by mizuao | 2006-02-27 21:00 | 本(外国人・その他)

恩田陸「禁じられた楽園」

恩田さんの話はやっぱ面白いと思いました。これも何か特に心に深く訴えるものかある訳じゃないですが、山中の薄気味悪いインスタレーションを体験していく後半部はテンポ良く一気に読むことができました。インスタレーションはほとんどホラーハウス化していて、バイオのゾンビか出てくるタイミングで色々出てくるので恐くてたまりません。そして最後のぶっとんだSFオチも、読者そっちのけで突き進んでてよかったです。
読んだ後ふと思い出せば、これは恋人の友達と行方不明の恋人を探しに行く話なんで三月に連なる話でした。
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by mizuao | 2006-02-26 20:40 | 本(著者ア行)

京極夏彦「嗤う伊右衛門」

録画しといた前回のエウレカを見て、やっと金枝篇の意味がわかりました。大きな秘密を知ってそうな人たちが意味ありげに金枝篇を持っていたのでなにかと思いましたが、王殺しの象徴だったんですね。自分の父王が衰えてきたら、父王を殺し、その大地のエネルギーを受け継ぐとかそんな話だったか。

京極夏彦「嗤う伊右衛門」
 半分ぐらい読むまでこれが四谷怪談だと気付きませんでした。お岩さんと言うと大抵多くの人が顔のただれた恨みがましい幽霊を想像すると思います。しかし実際四谷怪談を読めばお岩さんに罪はなく、お岩さんに呪い殺されても文句の言えない人たちがいたことが分かりますが、この嗤う伊右衛門では、よりお岩さんの正当性が語られている気がします。人にだまされても、ただただ夫伊右衛門の幸せを願い続け、決して誰も恨もうとしないお岩の様子には心打たれます。だからお岩と伊右衛門をだまし引き離した面々が狂い死に、最後二人が結ばれるという結末は素敵でした。
 心正しく性根が優しい女性が虐げられ限界に達すると、ぶち切れて恐ろしい化生に変わるというのは、雨月物語にもあった思います。これは江戸時代の人が好きなテーマだったんですかね。
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by mizuao | 2006-02-23 10:53 | 本(著者カ行)

萩原朔太郎「猫町」

部室でゲーム大会やりました。AC借りてた友達と対戦したんですが、かなり楽しかったです。

萩原朔太郎「猫町」
表題作他、短編から根暗な随筆まで。猫町は前から読みたかったのですが、期待通り訳がわからない面白い話でした。方向音痴が道に迷って全く知らない場所に迷い込む。といいつつ、気付くとそこがいつもの町になっています。家に帰るとき、いつもと同じはずの商店街に何か違和感を感じたり、道でふと周囲に人が見当たらなくなった瞬間、空気というか空間がかわった気がするようなものでしょうか。
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by mizuao | 2006-02-22 21:05 | 本(著者ハ行)

深見真「ヤングガン・カルナバル バウンド・トゥ・バイオレンス」

キンダムハーツⅡをやりつつ、つくづくディズニーはいらないとか思いました。ソラたちと頭身の合うキャラならともかく、本来人間の演じてるカリブの海賊とかトロンとか出てくると妙にリアルできもいです。ミッキーの2頭身から彼らの7頭身ぐらいまで幅がありすぎです。

深見真「ヤングガン・カルナバル バウンド・トゥ・バイオレンス」
 高校生の殺し屋が悪の組織をぶち壊す話です。ってこの前とやってることが変わりませんね。あいにかわらず、甚八は鈍いままで弓華はかわいそうなままでアクションシーンがかっこいいままです。あと漫研会長が思った以上にやばい人だと分かりました。一つの高校にこれだけ色々闇に通じている人がいて、いまだに何も起きてないことが不思議ですが、じきに高校が戦場になりそうです。
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by mizuao | 2006-02-21 12:05 | 本(著者ハ行)

高里椎奈「蝉の羽」

また薬屋シリーズです。今回はザギの影が薄かったですね。毎回ザギの甘い言葉を聞くのを楽しみにしてるんですが、ザギの紳士っぷりが発揮される機会が少なく残念でした。まあ代わりに紫陽花さんの気っ風のよさを楽しむことができましたが。
そういやこのシリーズは心底悪人がいないように感じますが、今回の犯人役はかなりどぎつい人でした。他人という存在そのものが信用に値しない、他人は利用して初めて価値を得るものだとかひどすぎです。この段階まで堕ちると秋の言葉も通用しなくなるようです。
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by mizuao | 2006-02-19 23:26 | 本(著者タ行)

高里椎奈「蒼い千鳥花霞に泳ぐ」

リベザルが拾われる前の、薬屋の話です。秋とザギとリベにかわる助手としてリドルという妖精が出てきます。彼女が口達者でしっかりしてるのに、リベ並に純粋でかわいいです。このシリーズは魅力的な男性陣に比べ女性のかげが薄いので、是非レギュラーで出てきて欲しいです。
推理小説には、あらかじめ犯人が分かってるもの、本文中に推理する材料が入ってるもの、探偵しか知らない事実が終幕で語られるものがあるといいますが、また今回も材料が与えられてるにも関わらずトリックにひっかかりました。これだから推理小説はやめられません
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by mizuao | 2006-02-17 19:54 | 本(著者タ行)

レイ・ブラッドベリ「スは宇宙のス」

昨日の浅草の稽古で菓子をばらまいてきました。日頃お世話になってる師範や先輩に渡せてよかったです。しかし女子優先で配ってたら同期男子の分が一つ足りなくなるという不手際が。女子優先というのが女子高出身らしいと言われましたが、義理チョコ<友チョコなのは当然だと思いますよ。あと、にっこり微笑みながら「三倍返しね」とチョコを渡す皆の笑顔が絶品でした。しかも3月14日も火曜で浅草教室があるのを確認済みなのが素敵過ぎです。

レイ・ブラッドベリ「スは宇宙のス」
 多分SF系の短編集。面白くないのもありましたが、いくつか気に入ったのがあります。
 まず一番はじめの「さなぎ」。なんとなくカフカを思わせる設定ですが、目の付け所が違うとこんなにも違う話になるのかと思いました。「変身」は登場人物たちの心理や人間像に焦点が当てられていたと思いますが、これはその手のものは全く無視して、さなぎになった人間が新人類になるという設定を楽しませることに力がいれられています。文学作品になれる要素がどこにもないというか、そもそも私が比較するものを間違えてますね。これは短編なので超人類がどこかにとんでいくとこで終わってますが、このとんでも設定でもっと長く書いてくれてても面白かたと思います。
 「ゼロ・アワー」とか「ぼくの地下室へおいで」とか地球が侵略されるタイプの話が結構好きです。一時期すごい流行っただろうなぁと感心するほど、この手の話がありますが、皆なんだかんだ色々考えて侵略方法を模索したんだと思います。
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by mizuao | 2006-02-15 19:30 | 本(外国人・その他)

谷崎潤一郎「陰翳礼讃」

生きて帰ってこれました。自由技も、できるできないは別にして色んな技試せて面白かったです。ウチがぼけっとしてる中、大量の仕事をこなしてた同期幹部、雑用を頑張ってくれた一年、ご苦労様でした。いらして下さった先輩方もありがとうございました。

谷崎潤一郎「陰翳礼讃」
家庭教用に読み直し。
やっぱ漆器のくだりが名文です。日本のものは薄暗いところで見た時、真の美しさが発見されるとか。闇を塗り重ねたような色とか、表現も好き。読んだ本の影響を受けすぎですが、これを読むと古き良き日本という気がしてきます。
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by mizuao | 2006-02-14 16:32 | 本(著者タ行)

深見真「ヤングガン・カルナバル」

いよいよ明日から合宿です。四泊五日で九十九里へ。去年の、朝五時代の道場の寒さは忘れがたいものです。何週間も前から合宿に持ってく本について悩んでいましたが、結局バシレイスの下巻持ってくことにしました。経験的に、字が細かいと疲れて目が霞むので読めない、堅い文だと疲れすぎて読む気がしない、癒される文だと癒されすぎて逃げたくなるということが分かっているので、闘志と癒しと笑いを兼ね備えたバシレイスを持ってくことにしました。

深見真「ヤングガン・カルナバル」
 高校生の殺し屋が悪の組織をぶち壊す話です。アクションシーンの描写が詳しく、かつ勢いがあってよかったです。銃器の説明に特に愛を感じましたが、徒手戦の際に合気道、日本武道、コマンドサンボ…とか流派の名前がずらっと並んでいるのが気になりました。こっちは素人なんで流派名だけじゃ型がわかりません。まあこっちがもっと勉強すればすむ話ですが。
 あと弓華がいつ裏切られるかとはらはらしてましたが、そういう話じゃなかったんですね…。無駄なところで深読みしました。恋愛に関してのみ純情で小心な弓華に幸があることを願ってます。
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by mizuao | 2006-02-07 12:37 | 本(著者ハ行)