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澁澤龍彦「エピクロスの肋骨」

強化練前と張り切って、土日に久々に筋トレしたら全身筋肉痛です。昨日の夜間の自手練も、一挙一動が不審だったことだと思います。すみません…。ついでに、足の裏の皮が、ズリッといってしまったのが不安です。普段なら別にいいし、いつものことですが、合宿前で怪我しないように気を遣っていたのに馬鹿なことしました。

澁澤龍彦「エピクロスの肋骨」
これもレポートのネタです。レポートっつっても内容を深く掘り下げるのではなく、小説の技法とかそっちのレポートです。じゃなきゃ、こんな訳のわからない話は選びません。きっと深く読める人には分析のしがいのある話でしょうが、私にはさっぱり理解できません。だいたい何で、コマスケの書いた詩を食ったものが、他の動物に変化しなければならないのか。しかも、小学生なみの意味のわからない詩で。有名な作家が書いているから、どことなく深い意味がありそうな気がしますが、その程度です。まあ幻想小説だから何があっても当たり前だ言ってしまったら、それまでですけどね。
最後コマスケ自身も肋骨を象徴していると思われる木琴に変化しますが、それがどういう意味があるかもわかりません。その木琴でタクシーの運転手がドライボーンズを弾きはじめたへんで、完全に私の理解の領域を越えました。というかはじめから理解できると思う方が浅はかなのかもしれません。
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by mizuao | 2006-01-30 16:53 | 本(著者サ行)

清水紫琴「こわれ指環」

明日ははるばる、新宿はコズミックスポーツセンターで自主練です。基本的に出不精な私が、なぜそんな遠いところまで行くのか。一つには審査が近いので、いい加減真面目に稽古しないとやばい。もう一つはまんがの森高田馬場店で、サイン本を買いたいから。もうすぐ強化練なので、頭が夢の国に旅立ちたがってます。

清水紫琴「こわれ指環」
 国文学のレポートのテクストにしました。あらすじは以下のようなものです。男尊女卑的な(というか儒教的な)教育を受けて育った女性が、一時期は独身生活にあこがれるが結局は父親に強制されて結婚する。結婚後夫が不倫しているのを知っても、結婚とはそういうものだとあきらめ二年間忍従していたが、女権論について知るにつれて次第に夫の人間改変に努力しようと思い立つ。しかし結局夫は変わることがなく遂には離婚し、女性の自立のために働くことを決意する。明治の話ですが、ジェンダー的に論じられそうなネタが豊富です。レポートは「こわれ指環」の功罪について書きましたが、果たしてまともに書けていることやら。
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by mizuao | 2006-01-28 21:26 | 本(著者サ行)

菅浩江「永遠の森 博物館惑星」

今日初めて図書館地下四階の電動書架を動かしてみました。レポート書くのに明治時代の雑誌が必要で…。スイッチを押すと書架が動くようになってるんですが、書架の間で本探してる最中、誰かが知らないうちにスイッチを押すんじゃないかとハラハラしてました。本に挟まれて死ぬなら本望とか、まだそこまでは達観してないです。

菅浩江「永遠の森 博物館惑星」
 地球と月の重力がつりあう場所に浮かべられた小惑星上の、博物館アフロディーテを巡る短編集です。といっても主人公は博物館の総合管轄部署で働く学芸員、田代孝弘で固定されてます。毎回博物館内の難題を押し付けられて、愚痴をいいつつも同僚の助けを借りて問題を解決していきます。
 学芸員の多くは、手術の結果膨大なデータを誇るデータベースに直接接続することができ、あいまいな検索要求でも、思い浮かべるだけでかなり適切な検索結果を得ることができます。これがあればレファレンスライブラリアンの苦労がかなり減るのでは、という優れものです。イメージ検索も可能で、これが開発されれば、私は喜んで脳手術を受けることと思います。しかし、そう上手く行く訳でもなく、作中でも主人公が本当の美とは何かを模索しながら、データベースとの適度な距離を測ろうとします。実際のものに触れることでの美を尊ぶ学芸員たちが、なんでもすぐ検索されてきてしまうデータベースに慣れ親しむことで、アイデンティティを失い苦しんでいるのがなんとも切なく感じられました。
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by mizuao | 2006-01-26 19:38 | 本(著者サ行)

「澁澤龍彦事典」

澁澤滝彦なんて二、三冊しか読んでないのにオールカラーで図版がきれいだったので借りてしまいました。澁澤滝彦について何十人もの人がテーマごとに書き、それを集めてあります。「毒薬」「迷宮」「饗宴」「両性具有」「少女」とか。テーマを並べるだけで幻想的というか、いかがわしい感じが漂います(笑)
澁澤龍彦の収集物も沢山紹介されてますが、その中でタツノオトシゴの標本が気に入りました。干からびて適度な崩れっぷりがたまりません。あと中にガラクタを入れて卵型にシリコンを固めたものとかも目につきました。
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by mizuao | 2006-01-25 21:11 | 本(外国人・その他)

城平京・水野英太「スパイラル~推理の絆~15」

「あんたの部屋にはろくな本がない」と母親に指摘されて、ふと部屋の本棚(机の下とか引き出しの中とかベッドの横の平積みとか)を見ると確かに漫画とかラノベの割合が高いです。図書館にある本は図書館で借りて、図書館に入らなそうなものだけ買うという方針でいたらこうなるのは当たり前ですが。ついでに本が売れない+捨てられないという性癖なのも、この現状を加速させている原因な気がします。それに日本文学も外国文学も母さんが全集をダバッと持っているので自分で買う気がしませんし。…どうせあっても読んでないから一緒ですがね。

城平京・水野英太「スパイラル~推理の絆~15」
ついにスパイラルも最終巻です。螺旋の名に恥じない、決着のつけ方だったと思います。清隆が全ての駒を消し去る運命を選んだのに対して、歩は駒を積み上げて希望をつなげる運命を選びました。そういうとなんかかっこいい感じがしますが、作中のキャラがつっこんでるとおり、かなりファンタジーな運命だと思います。みんなが頑張り続けることで希望をつなげるとかうさんくさすぎです。よって読み終わった後も、そんなに上手くいくのかよと中途半端な感じで、結局納得がいったのは三回読み直した後でした。
あと全てのキャラで一番お気に入りのひよのが、最後の最後にも見事な働きをしてくれたのが嬉しい限りです。病院で清隆を思いっきりグーかなんかで殴ってくれると、より嬉しかったんですが。
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by mizuao | 2006-01-24 14:29 | 漫画

コクトー「怖るべき子供たち」

今日はうちの方もかなり雪が積もってます。雪の鎌倉もいいかと散歩に行こうかと思いましたが、試験中なのを思い出し、雪見酒飲んで雪だるまを作るのにとどめました。明日ははるばる新宿まで自主練なので今日の内に勉強せねば…。
 
コクトー「怖るべき子供たち」
 たいそう物騒なお話でした。二人の美しい姉弟と、彼らに魅せられた崇拝者たちが「部屋」を舞台に浮世離れした生活を送り続けます。病気がちなというか引きこもりの弟ポールと、その世話にかかりきりの姉エリザベートとが、互いに愛し合い憎しみ合いつつ争いを繰り広げてます。世界に二人だけしかいなくて、愛する相手も憎しむ相手もお互いしかいなかった…という文章を以前に読んだことがあり、その本ではその状況の描写がなかったため場面が想像しにくかったのですが、この本では始めから最後まで通してそれがどんなに不自然な絵かというのを思い知らされました。部屋の中の二人で完結された世界というのは聖域のように美しく、同時に完成されているが故に危うく感じられます。
 エリザベートを巫女と表現する部分がありましたが、彼らの独特の神聖性に憑かれた人たちだけが、彼らに影響を与え「部屋」を破壊することで物語を進めることができます。ただし部屋を破壊しようとした人には不幸が訪れますが。たとえばエリザベートと結婚したミカエルは、その日の内に自動車事故でマフラーに首を切られ斬殺されます。「エリザベートはミカエルの死のために彼と結婚したのであった。」とあり、これが聖女と結婚しようとしたものの末路として示されています。
 またこの結婚の部分から、彼らの「部屋」に入れるのは死んだものだけというもう一つの真理を知ることができます。とにかくこの「部屋」には常に死のイメージが付き纏っているように感じられます。姉弟の母親もこの「部屋」と隣り合った場所で死んでいくし、この「部屋」の破壊も二人の死によって完成されると言えます。「部屋」を劇に見立てて語る部分が何箇所も出てきますが、その中に「死によりほころび始めた秘密の「部屋」での芝居が観客にさらけ出された」というような描写があります。二人が死ぬことで「部屋」は消え去り舞台も幕を閉じるという、舞台の中だけで事が終わる美しい流れだけでなく、あえて二人を死に追い込んだ衆人の存在を意識させるところに感じ入りました。「そして劇は彼女を追放し、もはや彼女を支持しない瞬間に至ろうとしているのだ。」
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by mizuao | 2006-01-21 17:34 | 本(外国人・その他)

武村政春「ろくろ首の首はなぜ伸びるのか」

昨日の原典のテストは危うく楽しいことになるところでした。指定された教室でクラスの皆と待っていたのですが、試験開始時刻になっても先生が来ません。不審に思った数人が調べに行って、他の教室で試験が行われようとしているのを見つけてきてくれました。学事の掲示した教室番号が間違っていた訳です。3クラス合同のテストだったのですが、うちのクラスの分の席だけぽっかりと空いてたことになります。担任の先生もずいぶんあせられたと思います。こんなアホなことでテストを受け損なったら洒落にならないです。学事を信じてはいけません。

武村政春「ろくろ首の首はなぜ伸びるのか」
 新潮新書の新刊で、養老さんの新刊に押されて本屋の棚の片隅に追いやられていました。架空の生物の生態を生物学上の見地から分析しようという意欲作です。ようは空想科学読本と同系統で、フィクションとして読むのに楽しい一品です。実際楽しんでくださいと筆者も書いていますが、笑いながら楽しんで読むことができました。
 私が特に気に入ったのは吸血鬼のくだりです。「結論から先に言おう。吸血鬼が灰になるのはズバリ「短時間で光合成をし過ぎる」からである。」…爆笑しました、本屋の店頭で。思わず買ってしまいましたよ。吸血鬼はミドリムシの子孫で言われると眉唾以下ですが、物の燃焼も生物の呼吸も同じ酸化還元反応だと言われると、なんとなく信憑性がある気がしてきます。これが小説のネタででてきたら、よく考えたと素直に感心していたと思います。というか誰かこのネタで何か書いて欲しいです。吸血鬼=ミドリムシというのは今までの吸血鬼研究の書ではでてこなかった発想だと思います。
 これ以外にも、飛頭蛮は耳ではばたいて空を飛ぶ(人間の耳元にはまだ筋肉の発達する余地が残っているそうです)とか、こんな調子でくだらないことがもっともらしく書き連ねてあります。生物学的知識と、フィクションの部分がしっかり分けて書いてあり、生物学の部分はとてもためになります。
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by mizuao | 2006-01-19 19:04 | 本(著者タ行)

サキ「サキ短編集」

久々の更新です。ここ一週間ほどで、新規で本を三冊しか読んでません。危機的な状況です。てか原典のテストも危機的な状況なのでこんなことをしている場合でもないのですが。
日曜日サークルの行事で宇都宮に言ってきたんですが、福引で杖が当たりました。ありがたいんですが、そうとう持て余してます。どうせそんなに振らないと思うので、一本を使い込んだ方がいい気がします。となると杖は今度の合宿のビンゴの景品に供出でしょうか。

サキ「サキ短編集」
オースターよりダークだと聞いて読みましたが、確かにひどい(面白い)話でした。子供に何を与えても、軍隊関係のおもちゃに見立てられて軍隊ごっこに使われる話が面白かったです。もう手遅れだったというところで笑いました。
しかし個人的にはサキより、O・ヘンリーの救われてるようで実は救われてない話の方が好きです。
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by mizuao | 2006-01-18 12:32 | 本(外国人・その他)

加納朋子「いちばん初めにあった海」

昨日録画してた「女王蜂」見ました。八つ墓村とか犬神家に比べりゃおどろおどろしさが減りますが、全て栗山千秋のミステリアスなホラー顔(失礼)でカバーされてます。六番目の小夜子の時とかも、彼女の持つ雰囲気と眼力が美人転校生役にはまってましたが、今度のもぴったりだと思いました。今後ぜひ雪女とかもやって欲しいです。

加納朋子「いちばん初めにあった海」
ねえ―。
いっとう初めに降ってきた、雨の話をしようか。
それとも、いちばん最初に地球にあった、
海の、話を……。
 から始まる物語です。加納さんのこういうフレーズというか言い回しが大好きです。透き通った文章というのはこういうものを言うのかなと。癒しを求めるなら、私には加納さんの作品が一番です。
 一部と二部というか「いちばん初めにあった海」と「化石の樹」の二編に分かれてますが、この二つは切り離して読むことが出来ません。二人の女性が登場人物となっていますが、一番目の方は身近な人の死を見すぎて殻に閉じこもった女性が、その友人の手助けで救われる話。二番目の方は人を殺したと思い悩むその友人の方が救われる話です。両方とも読まないと二人とも救われない訳です。個人的には一番目の話は少し不幸で凝り固まりすぎていたので、二番目の話の方がさわやかで心地よかったです。一番目の女性の方は自分の屈折を隠そうしていたために、大きな不幸にあった時に乗り越えられなかったという感じですが、二番目の女性は自分が周囲になじめないことを認めることで、既に自分が保てるようになっています。二番目の女性の方が強くて好きです。
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by mizuao | 2006-01-09 14:16 | 本(著者カ行)

山岸凉子「神かくし」

今日は自主練行く前に横浜のBOOKOFFの位置を教えてもらいました。しかし横浜中の本屋を巡っても探している本は見つからず。マイナーな本は出たらすぐ買いましょうというのが教訓ですね。
 某ゲームは案の定作動しませんでした。DirectXのヴァージョンアップをしないと動かないのですが、ダウンロードするのにうちの回線だと三時間以上かかる見込みです。なんせ未だにブロードバンドじゃないですから…。となると私程度の頭で思いつく手段としては学校で落として、それをCDに焼いて持ち帰ること。私のUSBスティックじゃ確か128MBしか入んないんでCDに焼かないといけないんですが、見つかったらアカウント停止食らいそうでこわいです。それに、そもそも直にダウンロードしないで作動するファイルかどうかも分からないですしね。こういう時パソコンに全く詳しくないのはきついです。

山岸凉子「神かくし」
 友達からの借り物です。猟奇的に近いホラー短編集ですが、書いてるのが女性なんで描写としてはそこまでえぐくはなかったです。
 お薦めだった三作目の「負の暗示」。八ツ墓村のモデルといわれる、津山三十人殺しについての話です。ごく普通の病弱な少年がなぜ村の多くの人を惨殺し、二十三歳の若さで自殺するにいたったかについて推測もまじえて描かれています。主人公が自意識過剰で被害者妄想が激しく、テレビとかで聞く現代の少年犯罪者の心理に近くて笑えます。母親に愛されなかったら、自分が所詮人並み程度の人間であると認められなかったら、全ての人が犯罪に走るのでしょうか?
 普通殺人鬼と聞くと、社会から全くかけ離れた神経をした人間を想像すると思います。しかし、ここで描かれる主人公は普通の人間とあまり大差はありません。常々疑問に思っていることですが、普通の人間と殺人者とで何か大きな差があるのでしょうか?露骨で劇的な理由や変化などはなく、ただ人殺しを実行したという点のみが違うのだと思います(本気で狂ってる人は別なのかも知れないですが)。ある本に、人は人を殺すのではなく、人は殺さないように耐え続けているのだというのがありました。だから人は日常的に殺す危険も殺される危険も持っていると。さすがにこれは極端な話ですが、私的には結構この考え方が気に入ってます。っと、本編とは関係ない話になってしまいましたが、主人公が頭に二本懐中電灯をさしているシーンが好きです。
 これ以外の作品では神隠し第二段の「神入山」が面白かったです。山に入ったものが神隠しにあうという伝説がありますが、ほんとは天狗じゃなくてUFOにさらわれてるんじゃないかという話。ベタな話ではあると思いますが、最後女の子が宇宙人たちを前にして「誰が・・・誰が言ったの好意的だなんてねえ!誰が言ったの」と泣き叫ぶところが心に残りました。
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by mizuao | 2006-01-07 22:05 | 漫画