カテゴリ:本(著者カ行)( 44 )

菊池誠「科学と神秘のあいだ」

 学生時代の友人たちと旅行に行ってきました。2泊3日でひたすら温泉めぐり。日頃お湯につかってじっとしてられるのは3分間程度なので温泉三昧とか絶対退屈だと思いきや、わいわいぎゃーぎゃー楽しめました。貸切の露天風呂がある旅館は初めてでしたが、よそ様が入ってこないと思うと自然に寛げます。星を眺めたり、朝の光を浴びながら入るお風呂も実にいいものです。
 ただやはりというか、筋肉を落とすのが間に合わなかったのが誤算でした。風呂行く前から、腹触りあって、なにこれ、かたっ、とか馬鹿にされてたのですが、風呂入ってる間も数分おきにその手のネタでからかわれます。風呂上がり浴衣で髪乾かしてたら、色っぽいと言われ、まず滅多に言われない形容詞に???となってたら男の色気だけどねと笑われました。背中広いとか、女性相手だと誉め言葉ではありませんし、力こぶとかほっといてください。なんだか久しぶりにこの手のネタで弄られ、学生時代に戻ったような気分でした。

菊池誠「科学と神秘のあいだ」
 科学やらニセ科学やらのネタを元に、科学的思考とは何かを語るエッセイ。陰謀論やらEM菌やら、一見科学的根拠があるように見えるものに騙されてはいかんよ、という話が延々続きます。この方の論拠にちょっと釈然としない部分もありつつも、ためになりました。中高生に読んで欲しい感じの一冊です。
 しばらく前にホメオパシーについて新聞で取り沙汰されていて、こんなの信じて大事な人を死に追いやってしまうんだなぁと唖然とした覚えがありますし、一見科学的、というものにいかに踊らされるかよく分かります。我が身を振り返っても、心当たる点はあります。もっともらしい話を聞いた時に、ちゃんと疑うことが大切なのでしょう。占いとかスピリチュアルとか、あからさまな胡散臭さを放ってるものよりも、中途半端に科学を語っているものの方が怖いですよね。そういうバラエティ番組も多い気がしますが。
 とは言え、著者の言うとおり、空想と科学は両立するもの。ちゃんと絵空事は絵空事だと分かって楽しめれば問題はない訳です。壮大な嘘を、いかにほんとっぽく語るか、というのがSFの醍醐味ですし。要するに、情報を受け取る側が、それを正しく読み取れればいいのですよね。PCの使い方、とかだけじゃなくて、そこまで踏まえた情報リテラシー教育を期待したいものです。
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by mizuao | 2010-09-13 00:09 | 本(著者カ行)

カズオ・イシグロ「夜想曲集」

 新しいぱんつを見てたら興奮してきました。

 こう書くと、どうしようもないですね。

 「ストライクウィッチーズの第二期一話を見て興奮しました。」

 まあ結局どう書いても同じな訳ですが。なんにしろ少佐に惚れなおしました。宮藤の守りたい発言に心底誇らしげに微笑む少佐が素敵です。

 それはそれとして、先日展示場で行われていたイベントに行ってきました。電子書籍が話題となっただけあるのか注目度が高かったように思います。私もiPadを弄らせてもらってきました。本が読めるのも嬉しいですが、最新の新聞記事が配信されて、全文検索できるのが魅力的です。拡大縮小等、PC以上に直感的に操作できるのが嬉しいですね。イベントに職場の同僚も誘ったのですが、展示場に来たことがないらしく、人ごみに驚いてきました。夏とか冬とかは早朝から展示場の周辺を埋め尽くす人垣ができてね、とかうっかりそういう話をしそうな自分が怖ろしかったです。

カズオ・イシグロ「夜想曲集」
 音楽と男女を巡る小話×5。一番はじめの「老歌手」の舞台はベネチア。別れる妻に対して、ゴンドラの上から想いでの恋唄を届けようとする老歌手に哀愁を感じました。これを老歌手視点でやられたら、じめじめ、じめじめと思い入れたっぷりで水っぽく興冷めになってしまっていたでしょう。しかしここを老歌手視点ではなく、老歌手に憧れるいい年したギター弾きがやるからこそ、少し距離を置いたところで楽しめるのだと思い思います。
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by mizuao | 2010-07-11 20:58 | 本(著者カ行)

貴志祐介「新世界より 上下」

 先週末は数年ぶりに高校時代の後輩と会ってました。元々ご近所さんで、小学校から中学校くらいまでは毎朝駅まで一緒に通ってました。私が出会った人間の中でも、上位3人には入る人懐っこい子です。しかし小さい頃の友人というのは、なにかと思い出したくない黒歴史を覚えているものです。お互いに。

貴志祐介「新世界より 上下」
 上巻読んでるときは、恩田さんの麦の海に沈む果実を思い出しました。閉鎖空間な町で、子供たちが学園サスペンスです。みんなが超能力を使える社会で、子供たちは教育委員会に管理されて生活しています。将来超能力を使って人を殺してしまうことのないよう、逸脱してしまった子供は不浄猫がニャー。まだ幼い主人公たちの間で囁かれている都市伝説が、ちゃんと伏線になっているのがいいですね。
 と、前半部分も楽しかったんですが、後半はバケネズミたちの活躍に心が躍ります。孤狼丸かっこいい。絶対的な力を持っていたはずの主人公たちが着々と追い詰められていき、どんどん話が加速していきます。落ちというか決着のつけ方はちょっと拍子抜けしてしまいましたが、なぜかスパイラルを思い出しました。ファンタジーなんですが、結構理詰めなんですよね。この世界観でもっと色々読んでみたいと思いました。
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by mizuao | 2010-03-15 21:47 | 本(著者カ行)

加納朋子「少年少女飛行倶楽部」

 今日は数年ぶりに父親の望遠鏡を借りて、ベランダでお月見をしていました。十五夜じゃなくて、敢えて十六夜で。肉眼で眺めるのも好きなんですが、望遠鏡だとクレーターの立体感がはっきりしていて素敵です。月って岩の塊なんだなーと実感できます。古くて安物の望遠鏡でこれですから、天文台とかので見たら、本当に細かく見えるんでしょうね。月以外だと、今日は木星ぐらいしか見えませんでした。それでも木星の衛星が見えておおはしゃぎです。左に1つ、右に3つ。ガリレオを思い出しましたが、木星の衛星の名前なんて、ガニメデとエウロパしか知りません。クリスマス。アシモフの短編は結構好きでした。

加納朋子「少年少女飛行倶楽部」
 名前と性格に一癖もふた癖もある中学生たちが、空を飛ぶ物語です。冒頭に飛行倶楽部の宣言書みたいなのがついてますが、それがあまりに中二で笑いました。人の真剣な夢を笑うって最低だよねと思いながら。この条件じゃあ空なんか飛べないよと思いましたが、気球という手があったんですね。
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by mizuao | 2009-10-04 23:42 | 本(著者カ行)

菊月俊之「世界のミリメシを実食する」

 今月号のオクターブ、とりあえず雪乃が謝ってくれて安心しました。2巻を買い控えるぐらいに不吉さを感じさせる展開だってので。しかし節子さんも、ほんとうに分かりにくい人ですよね。あのクールな表情であんなこと言われたら、そりゃ不安にもなるよな、と。ラスト2ページ、初見は行間の意味が分からず、読み返してしまいました。一度目「…?」となってしまった自分は、女としてかなり危うい気がします。

菊月俊之「世界のミリメシを実食する」
 ミリメシってなんだと思いましたが、イタ飯とかと同じ感じで、つまりはレーションのことのようです。レーションの歴史と、各国軍隊のレーションの紹介。なかなか興味深い内容でした。レーションというと、すべてがカロリーメイト系で、下手したら粘土のようなものを食べていると思い込んでましたが、結構まともな食事です。想像していた底辺の食事と比較して、という程度ですけど。
 だいたいどこも、肉やら魚やらのメインにクラッカー、チョコなどの甘味がついています。それぞれ工夫があるものの、ぱっと見ではそこまで大差はないでしょうか。そんな中異彩を放っているのが日本、韓国のアジア系。あくまでご飯にこだわります。ひいき目に見ずとも、日本のレーションが一番おいしそうでした。
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by mizuao | 2009-03-30 19:15 | 本(著者カ行)

春江一也「ウィーンの冬」

 25日に「ベン・トー」の2巻が発売だそうです。1巻読んでるときに絶対これはシリーズ化するつもりだろうと思ったんですよね。どうせシリーズ化するならバニラの続編がよかったと嘆いたのはもう何か月前のことでしょうか。黄色紅もバニラも両方とも話がまとまってしまっているので続編は無理でしょうけど、是非ケイとナオの幸せな後日譚が読みたいものです。番外編とかで。是非に。
 正直「ベン・トー」は一発ネタとか出落ちのようなところもあると思うので、2巻がどれだけ楽しめるか不安は残ります。結構ガチなアクションシーンなくせにやってるのが半額弁当の取り合い、というシュールさが2巻でどこまで感じられるのでしょうか。こっちが1巻で雰囲気に慣れてしまっているんで、ここが不安要素なんですよね。でもB級フードへの熱愛が伝わる文章と、奇抜なキャラクターたちで、きっと面白いものに仕上がっていると信じています。そして我らが梅さまがご活躍されていることも信じています。バニラを書いた方ならきっと今回もやってくれるはず。

春江一也「ウィーンの冬」
 「プラハの春」から「ウィーンの冬」に飛んでしまったため、ちょっと感覚が狂ってしまいました。一応若かった亮介が脂ののったいい年齢になってしまってます。むしろ冒頭では腐って枯れかけてましたしね。
 プラハではプラハの春、激動の時代に翻弄される亮介が描かれてましたが、今回のバックは主に北朝鮮となんたら真理教でしょうか。ウィーンを舞台にオウム真理教が布教活動をし、そこに北朝鮮が結び付き核爆弾を仕入れようとしています。いや、手に入れるのはなんたら真理教で、日本でクーデターを起こそうとかしてたようです。プラハの方もかなり綿密に時代背景が描かれていて、冷戦時代の東欧がよくわかるーというリアリティが感じられるものでしたが、そうするとこれも結構事実が含まれているんですかね。
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by mizuao | 2008-06-18 23:31 | 本(著者カ行)

甲田学人「断章のグリム Ⅶ」

 画伯作詞の歌を聞いて、咳き込んで涙が出てくるまで笑いました。元気になります。

甲田学人「断章のグリム Ⅶ」
 今回はイソップにこじつけた短編集でした。気に入ったのは「アリとキリギリス」と「金の卵をうむめんどり」。
 「アリとキリギリス」は自分で読んでても耳が痛い内容でしたが、母親にまで身に覚えがない?と馬鹿にされました。確かに勉強ができるように頑張るのも努力ですが、お洒落して綺麗に見せようというのも大事な努力なんですよね。化粧やらに時間をかけてる女の子達をよくやるなぁと思っている自分は、相当怠慢な人間なのでしょう。と初めて思ってからはや十年近く経つような気もしますが、一向に改善の気配がありません。この話のアリを気取るキリギリス少女のように自分を追い込むことのないよう気をつけたいと思います。
 「金の卵をうむめんどり」の方は雪の女王姉妹の過去話。性格が歪む前の雪乃とか、性格が歪んでる風乃を見るとができます。今まで一切語られることのなかった風乃さんの心情がそこかしこで吐露されていて、そういう意味では興味深く読むことができました。自らに罰を与えることでしか罪を償うことのできない風乃は、とても人間的だと思います。
 Missingの詠子さんと断章の風乃さんは、人間を超越していて主人公達のアドバイス役もどきなあたりから、立ち位置が近いと思ってました。でもこれを読むと、風乃の場合はかなり環境が性格に影響を与えていたことが分かります。詠子さんはどこで育ってもああいうふうに完全にやばい人になっていたと思いますが、風乃さんの方はもしかしたら救われていたのではないかと思うとちょっと切ないです。
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by mizuao | 2008-04-22 23:30 | 本(著者カ行)

カトウハルアキ「ヒャッコ 1」

 明日から仕事に行くのが憂鬱でなりません。もうこれで平日ごろごろできる生活とはお別れです。ひたすらゲームし続けたり、だらだらと本やら漫画やら読み続けたり。そんな何の役にも立たないことに費やす時間を愛していたのに。ああ面倒くさい。

カトウハルアキ「ヒャッコ 1」
 元々はヤフーだったかが提供しているWeb漫画らしいです。メインは女子高生4人なのですが、とりあえずお気に入りは虎と委員長。虎はほどよいバカさ加減がいいです。道に迷ったからと言って、窓から飛び降りるそのアホさが素敵です。1話の時点では確実に、虎が一番アホの子に見えました。委員長は言ってることがずんずんそっくりというか、ネタが思いっきりかぶっている気がします。でもずんずんと違って委員長は真性の香りがするのがより危険なところ。こういう人に権力を持たせてはいけません。
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by mizuao | 2008-03-31 20:17 | 本(著者カ行)

門井慶喜「人形の部屋」

 今日は高校の同窓会の会場探しに付き合ってきました。私は何もせずにただ付いて回っただけですが。昔は押しに弱かった友人がひたすら値切り交渉にチャレンジしていて、時の流れを感じました。海外やら行ってるうちにたくましくなったんですね。あと下見した会場の一つが崎陽軒のすぐ近くということで、あの店の側だーと思っていたらむしろ同じ建物で吹きました。

門井慶喜「人形の部屋」
 創元ミステリフロンティア。主夫が活躍するミステリーです。全体ほのぼのとはしているんですが、父娘の親子喧嘩が結構壮絶でびくびくしました。娘の彼氏疑惑で不安になった父親は、親子の思い出であるお子様ランチを夕食に出します。それが逆効果となって娘に家出されてしまう訳です。もう子供でないという主張と、父親が大切な思い出を忘れていたことへの怒り、諸々のものが重なってこうなってしまった訳です。おそろしい。
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by mizuao | 2008-01-12 22:53 | 本(著者カ行)

小林義行「やさしくわかる歯車のしくみ」

 今日は父親に付き合って家から20kmちょいの長距離散歩に行ってきました。せいぜい150m足らずの鎌倉と横浜の山じゃ高さはたいしたことありませんが、さすがにほとんど休まず6時間以上はきついです。頭が真っ白になって色々考えられるかと思いきや、父親ががんがん話し掛けてきて、考えがまとまりやしません。父とくだらない話をしてるのは好きなんですけどね。カワセミをカワセミとして初めて認識できたのが今日の収穫です。

小林義行「やさしくわかる歯車のしくみ」
 モチーフとして歯車とかネジとかが好きなのは、WAの影響でしょうか。それともMissingか。歯車のあのウニョウニョカーブがたまらないんですが、インボリュート曲線って言うのですね。歯車がかくかくでなく、なぜ曲線になっているのか勉強になりました。歯車が磨耗に耐えるようにねじってみたり、磨耗が激しいと予想される部分に強い素材を使ってみたり、工業製品ならではの工夫がすごいです。モーターのギヤ比が半端なのも、同じ箇所に負担がかからないようにするためだったんですね。
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by mizuao | 2007-12-22 20:02 | 本(著者カ行)