カテゴリ:本(著者ア行)( 82 )

宇野常寛「ゼロ年代の想像力」

 友人からアイマスの曲を20曲ほどもらいました。
 その中で一番きゅんとした曲があずささんの「ラ♥ブ♥リ」なあたり、本当に自分はお姉さんが大好きなんだなと思います。好きになっていいですか、とか可愛すぎます。もう一曲仕込まれていたあずささん曲が「ウイスキーが、お好きでしょ」というあたり、友人のあずささんの扱いがよく分かりました。
 千早推しとしては、「目が合う瞬間」「蒼い鳥」を懐かしく思いつつ、「arcadia」「inferno」とかも中二くさくて素敵です。今ふと思いましたが、千早はAKBのゆったんとイメージが近いです。歌が上手くてアーティストを目指しているので、アイドルという職業に悩んでいる感じ。と思ったのですが、性格とか体型は全然違いました。でもMARIAとか君ペガとか、千早、響、真、貴音さんあたりが歌ってくれたら私得すぎる。
 響はアニメのむつごろうさんなイメージしかなかったので、「TRIAL DANCE」「DREAM」の激しさに驚きました。

宇野常寛「ゼロ年代の想像力」
 まだ私が学生をやってた頃SFマガジンに連載されていたんですよね。当時パラパラと読んで、言ってる意味がよく分からないよ、という状態だったので、ちゃんと読み返そうと思って買ってきてみました。
 アニメや映画、ドラマ、文学などのサブカルを材料に、90年代→ゼロ年代→これからの社会について、論者が考えるところを語った批評。なのでしょうか。
 まず、宗教とか科学とか、拠って立つことのできる「大きな物語」がなくなり、バブルがはじけたのと相まって、引きこもったというのはよく分かります。何か行動すると誰かを傷つけるから、自分は何もしないで引きこもる。自分は無力だけど、何もしてくれない社会が悪いんだ。という姿勢。世の中は汚い、だからそこからはずれて(落ちこぼれて)生きる俺らは偉い。という感じに厭世的なことを恥じないロスジェネ的なイメージです。
 ここと同じ流れに「Air」とかの美少女ゲームやいわゆる「セカイ系」が乗せられているので、鍵っ子を始めとする信者さんたちが怒ったのも分からんでもないですね。「安全に痛い」自己反省という言葉は、勝手に消費される女性の立場からしたら結構的を射ていると思いますけど。
 まあ社会に絶望して引きこもった時代の反動から、小泉さんの改革により、自己責任の時代、決断主義の時代になったと。
宇野さんは「サヴァイヴ系」と名づけていますが、こちらは、引きこもってたらやられる、だからやってやんよ、という感じ。おそらくこの世代に該当している身からすれば、この「サヴァイヴ系」の感覚は実感があります。ろくな世の中じゃないけど、自分が生きるためには、行動をしなければならない。自分の信念が絶対のものじゃないのは分かっているけど、何もしないよりはましじゃない、ということで個々が「小さな物語」を選択しています。
 という前提に立った上で、じゃあ暴力的な決断主義を消化するためにはどんな方法があるか、というのをこの本では模索しているようです。色々書いてありましたが、大きな物語、仮想的なファンタジーじゃなくて、身近な日常、拡張した現実を楽しばいいよ、というのが提示されてます。これだけ語ってそれかよ、とか、何でもかんでも一括りにするのもなぁ、とか、でもそれをしなきゃ批評なんかできないか、とか色々思うところの多い作品でした。まだ理解仕切れていないので、もう少し読み込む必要がありそうです。
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by mizuao | 2011-11-03 12:30 | 本(著者ア行)

太田潤「燻製大事典」

夏祭りをまだやってるところがないか調べたのですが、やはり手遅れでした。
小学生の頃何度か行った大きな祭りも9月半ばで終わってます。無念。何食べようか、何で遊ぼうか、綺麗な浴衣のお姉さんはいないか、キョロキョロしながらそぞろ歩くと気分が浮き立ちます。
まあ冬の祭りは冬の祭りで面白そうなんですけどね。雪まつりとか火を使った祭りとか。どんと焼きとかもそうですけど、冬は太陽を求めて火を燃やす行事が増えるそうです。秩父の夜祭とか見てみたいものです。

太田潤「燻製大事典」
 外遊びに興味を持った流れで、燻製作りを始めてみました。とは言えマンションのベランダで火をつけ、上の家の洗濯物をスモーキーにする訳にもいかないので、現在空き家な母親の実家に行った時にやってみてます。
 初回はとりあえず、購入した段ボールスモーカーに書いてあった要領でやったのですが、なかなか面白いかつおいしかったので、本を買って少し勉強。庭の草むしりをしつつ、火の番をする感じで、ちょうどいい兼業になります。
 さて、燻製も事前準備なしの手間いらずのものから、塩漬け→塩抜き→乾燥→燻す→熟成と何日もかけるものまで色々あるようです。実際やってみて、一日熟成させるかどうかで顕著に味が変わるものなのがよく分かりました。作って即食べたいところですが、一晩寝かせた方が味が落ち着いて深みが出るようなので、ひたすら自分に待てをかけます。
 とりあえず、卵、チーズ、笹かま、はんぺん、たくあん、ささみ、ほたて、豆腐などやってみました。手間の割に格段においしくなるのが、チーズ、笹かまあたりですかね。豆腐もなんだか煙をそのまま食べているような未知の味でした。
 煙は煙で、緑茶を混ぜて燻してみたり、熱燻のものは複数ウッドを投入して温度調整してみたり、弄るところが多くて遊びがいがあります。
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by mizuao | 2011-10-04 00:42 | 本(著者ア行)

浅田次郎「中原の虹 1-4」

 今年の夏も、青森行ったり、燻製作ったり、もろもろ遊んでたのですが、つい先日は洞窟探検に行ってきました。
 全身泥だらけになるので、貸与された青色のツナギ着用。
 窓に映った自分の姿を見て、いさじさんのあの曲が頭から離れなくなりました。
 そして向った洞窟は、行き先を決める時に意図してはなかったのですが、AKBのロケ地です。ヒャッハー。頭を横にしないとヘルメットが通らない程度に狭い穴を、海老反りで匍匐前進しながら通過中、きたりえの貧乳でよかった発言を思い出してにやにやしてました。

浅田次郎「中原の虹 1-4」

 清王朝の末期から中華民国初期を描いた歴史小説。歴史上の人物から恐らく創作の人物までとても魅力的で、さっぱり忘れていた中国史を思い出しつつ楽しむことができました。やはり教科書で習うだけだと人物に対する肉付けが足らなくて、どうにも頭に残りません。こういう物語で読むと、その人物が歴史上どういう役割を果たしたのか、歴史の流れがその時代の空気を通して伝わってくる気がします。
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by mizuao | 2011-08-30 23:04 | 本(著者ア行)

恩田陸「いのちのパレード」

 つい先日、人生において深刻な選択ミスをやらかしたことに気づきました。
 それだけは絶対にない、と思っていたからこその盲点…。
 ……………………。
 ……………。
 ………。
 ………私って、女子校の先生を目指すべきだったのではないでしょうか。

 高校の始めの頃やらされた、うさんくさげな職業適性試験(学力+性格診断)で、だいたいの職業が「適性あり」の判定の中、数少ない不適性な職種が学校とか幼稚園の先生でした。この結果は自分でも大変納得のいくものだったと思います。厳しくも優しく、悩める青少年を教え導く聖職なんて、とても私に務まるものではありません。当時の私も強くそう感じていましたし、あんなに損な職業を選ぶなんて物好きだなぁと思ってました。
 しかし、今となってはこう思うのです。青春を謳歌する女生徒達とともに学園生活を過ごし、彼女たちの幸せの礎となることができるのは、大いなる喜びなのでないかと。
 テストの点とか友人関係とか、ちょっとしたことで一喜一憂する多感な彼女たちを見守り、サポートすることで、労働の素晴らしさを感じられるのではないかと。

 まあつまり何が言いたいかというと、女の子たちのきゃっきゃうふふを、最前線で観賞し続けることができる女子校の先生って最高じゃね?ということです。
 しかしここまで考えてふと思ったんですが、女子校で先生やってる男性って何でわざわざ女子校を選んだんでしょうね?「先生のセクハラに負けない」とかいうクラス目標立てられかけたり、「イケメンは就職の面接で落とされている」とかいう失礼な噂を立てられたり、小娘たちに馬鹿にされても先生をやり続ける理由はなんでしょう?
 そりゃまあ他に就職先がない、とか、金のため、とかもちろん現実的な理由なんでしょうが、それでは面白みがありません。私は愚考します。彼らもまた私の同族なのではないかと。そう考えると、遠い存在だった先生たちの存在が、一気に親しみやすく低俗なものになりますね。

恩田陸「いのちのパレード」
 奇想ネタ短編集。長編と違って人間関係の掘り下げが少ないので、強く感情が揺さぶられたりということはありませんが、さすが恩田さん。一つ一つのネタが強烈です。
 例えば「当籤者」。国民全員参加の宝くじで、当選者のもとに通知が送られてきます。これで当選者が普通にお金をもらえるなら何の物語にもなりませんが、お金をもらえるのは当選者ではなく、当選者を殺した人、という設定。無差別で送られてくる赤紙とか恐ろしすぎますよ。自分が当選者であることを悟らせないように頭を悩ませ、考えれば考えるほど挙動不審になってしまう。疑心暗鬼に陥らざるおえないという、とてもえぐい設定です。ほんとよく思いつきますよね。これ「SGOROKU」あたりは、是非長編でも読んでみたいです。
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by mizuao | 2011-02-20 22:39 | 本(著者ア行)

内田康夫「箱庭」

 毎度どうしようもないことですが、歯医者に行くと何となく後ろめたい気分になります。診察台に寝っ転がって、歯科衛生士さんたちに口の中を弄られていると、どこに目をやっていいのやら。こちらが間抜け面晒してる分、余計に居たたまれなくなります。

内田康夫「箱庭」
 テレビの浅見光彦シリーズが大好きです。榎木孝明さん、沢村一樹さん、中村俊介さん主演のあたりは全部見ています。浅見さんの見るからに育ちのよさそうな言動と、お約束のように罪を告白した犯人が自殺する展開が大好きです。
 と、今回山口に行くにあたり、原作を読んでみようと買ってきた本作。岩国について予習することができました。浅見さんと同じように岩国城から川を眺めてきましたが、確かに短い距離であそこまで蛇行する川は初めてでした。
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by mizuao | 2011-02-08 22:01 | 本(著者ア行)

小川一水「妙なる技の乙女たち」

 しのださんとこじまさんの、I'm sure があたまがおかしいと思います。あのいろっぽさは何なのでしょう。倒れこんでる時とか、絶対こすれあってるよね、と思うと唾液が分泌されます。
 あと忘年会で、映画の話題が出ました。基本アニメ映画以外見ないので話にさっぱりついていけなかったですが、うっかりアリスの映画の話が出た時に、アリスの服が結局脱げなかったことに大変失望したという話をしてしまうところでした。が、それは我慢しました。なのでアバターの話の時に、あれが今のSFと思うなよ、としつこく語った点はご容赦いただきたいところです。

小川一水「妙なる技の乙女たち」
 小川さんは、安定してるなー。というのを改めて感じさせてくれました。だからこそ、手が遠のいてたというのもあるのですが。ベストの短編以外では、第六以来?
 宇宙産業の中心地である、リンガ島で戦う、乙女たちの人間模様。短編集になってるので、軌道エレベーターの乗務員もどきから、違法保育園の保母さんまで、多方面からリンガ島の様子を知ることができます。最先端の宇宙港であるリンガの雑然とした姿が、雰囲気が出てました。まだ新しく、違法地帯なため、あらゆる隙間産業が生まれおちてますよね。
 一番SFっぽかったのは、宇宙服の設計のやつか、宇宙農業計画のやつでしょうか。確かに、地球から食糧運んでるうちは、まだまだだよなーと思います。地球から切り離されて、スタンドアローンになっても問題ないくらいの強度が欲しいわけです。まだまだ夢のまた夢の話でしょうけれども。
 
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by mizuao | 2010-12-12 23:55 | 本(著者ア行)

アサウラ「ベン・トー 6」

 さて、3、4日ほどAKBの情報を漁っていた結果、順調に10人ほど顔と名前が一致するようになりました。現実の人名を覚えることに関する私の致命的なまでの馬鹿さ加減からいくと、これは脅威です。
 当初、顔ならば小嶋さん渡辺さんと思ってたんですが、大島さん小嶋さん高橋さんという感じで落ち着きそうです。大島さんはあの親父っぽそうな性格が好きです。あと眉毛がハの字になっている時に色気を感じます。小嶋さんは体型が素敵ですね。すらっとして。ある程度身長がある方が生かされる服装があると思うのです。ブーツとか。高橋さんは男前な性格をしてそうなあたりでしょうか。ちまっとしている子が元気に頑張っている姿は大好きです。

アサウラ「ベン・トー 6」
 今回の新キャラ、茉莉花によってロリ成分が補強されました。凡ヲタから極右派腐女子まで、幅広い需要に応えてくれるベン・トーです。今回は白梅様もかなり登場してくださって、佐藤を痛めつけてくれました。痛めつけられた後の佐藤が、一人称の地の文でナチュラルに白梅様呼びしてるあたり、芸が細かいです。
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by mizuao | 2010-09-28 22:31 | 本(著者ア行)

石持浅海「BG、あるいは死せるカイニス」

 灰羽連盟が今度ブルーレイで出るそうです。ちょっとした手違いで今現在すでに、DVD-BOXを二つ持っているのに、この上もう一つ増えてしまう訳です。観賞用、保存用、布教用、が笑えなくなってきました。

石持浅海「BG、あるいは死せるカイニス」
 本屋さんでタイトルが気になり手に取ったもの。自分の百合本を嗅ぎつける能力もだいぶ上がってきた気がします。
 みんなに慕われていた女生徒が学校で殺され、その生徒の妹である主人公が事件解決に乗り出す…という学園ミステリーです。これだけだと何の変哲もないんですが、面白いのは、「全人類が、生まれた時はすべて女性、のち出産を経て一部が男性に転換する」という特異な世界設定です。
 女性至上主義と人さまに言われる私としては、男性に変わるのはエリートが多いというのがすっきりしなかったんですが、一見優遇されているように見える男性が実は堕落を誘われているというのに納得しました。男性が少ないこの社会だと、子作りに励むべき男性は、ぬるくて高収入な役職に回されます。楽ができて妬ましいと思ってしまいましたが、ぬるま湯につけられた人間はろくなものにはなれないと相場が決まっています。
 そして、本来優秀であったはずの女性が男性化することで社会的に成長を止められてしまう、という社会のひずみに気づいた少女がBGを巡る大人の思惑を利用しようとしたのが事件の真相である訳です。BGがなんなのかというのも含め、推理ものとして読むには物足りない感じがしましたが、これはきっと世界設定を楽しむものだったんでしょう。解説にはSFミステリなんていう言葉も出てきましたが、そういう方面では楽しむことができました。

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by mizuao | 2010-06-09 23:19 | 本(著者ア行)

アサウラ「ベン・トー 5.5」

 とある少女小説実写化について。GWはネットがつながらな環境にいて、戻ってみたら知らん間にキャストが発表になってました。とりあえず赤はありかなと思います。赤の上級生二人は美人系の顔立ち。真面目でお節介な方が好きな私としては嬉しい限りです。
 だがしかし旧赤白の片割れが…。片割れが…。ほら、美人顔というのは確かに若いうちは年齢より上に見られてしまうもの。ギガンティアさんなんか、バタ臭い設定まで付いてたから、どう見ても高校生に見えないのも仕方がないですよ。だがしかしこれはない。何が悪いかって、とりあえずあの髪の不自然な茶髪具合ですよね。実際のお嬢様学校にあの髪で登校したら、正面玄関から生徒指導室まで直行確実です。そりゃナチュラルにギガンティアさんレベルで色素薄い人探そうと思ったら、それこそハーフでも捕まえてこないと無理なのは分かりますけれども。白好きにとっての救いは、まだ隠れキリシタンな彼女のキャストが発表されていないことでしょうか。

アサウラ「ベン・トー 5.5」
 番外編。白粉先生とあせびちゃんの二本立てのような内容でした。死神あせびちゃんの天然で人を窮地に陥れるところもかわいくてかわいくてしょうがないんですが、白粉先生が、もうほんとどこのクリーチャーかと。ガチムチ警備員とサトウが「これ絶対入ってるよね」状態の手押し車で熱いレースを繰り広げる横を、顔を固定したまま並走し、「キーキ、キキ」「キキ……キ―」と奇声を上げ続ける姿に100キロばばあを連想しました。さすが白粉大先生、生ける都市伝説となられたのですね。
 しかしそのインパクトで、『貴婦人と使用人さんのカフェ』でのヒロイン達のコスプレ姿がふっとびました。白梅様と他ヒロインとの貴重な絡みシーンだったんですけどね。ガチムチに力負けするとは…。マイナージャンルの悲哀を感じました。次の番外編では白粉先生と白梅さんの出会いの話を是非読んでみたいです。
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by mizuao | 2010-05-05 22:31 | 本(著者ア行)

小川一水「煙突の上にハイヒール」

 職場の出入り口にある受付にマリのフィギュアが飾られてました。

 自分の目を疑いました。なぜに破のマリさんがこんなところにいるのでしょう? 40,50前後の人しかいないかなりお堅いはずの職場なのに、わざわざ箱と並べて飾る気合いの入れ様。いったい誰が?いつ?なぜ?落し物? それとも何か踏み絵的な意図でもあるのでしょうか? これを見てあからさまに動揺して抱えた荷物を落とした私は、もうヲタの烙印を押され、職場で村八分で磔刑で火炙りで十六聖人で……あばばばばばばば。まわりに誰もいない時間帯で、本当によかったですね。
 しかし受付のガラス越しに見ると、まるでショーケースに飾られているようです。ショーケースの中のマリがこっちを見て、「一人じゃ淋しいから、アスカも連れてきて欲しいにゃ」と囁いてきます。黙れ私のゴースト。わたし、ピンクのプラグスーツよりスパイダーマンっぽい緑のやつの方が好きなんですよね。プラグスーツは太ももの肉感が強調されるのが素敵です。でも制服もかわいいですよ清潔感があって、とかうっかり心の赴くままに口走っちゃったらどうしてくれましょう。ああ、マリかわいいよマリ。出入りする度に確実に視線がそっちに奪われます。
 頼むから私の心の平安のために早く撤去してください。でもそれはそれで、回復ポイントが減ります。ひゃっはー。

小川一水「煙突の上にハイヒール」
 友人のすすめの中編集。小川一水さんは、老ヴォールか大六大陸以来でしょうか。
 おすすめの「おれたちのピュグマリオン」、確かに面白かったです。会社で介護用の機械を作る傍ら、精巧な人型メイドロボを作ってしまうマッドサイエンティスト。いや、メカニックとかエンジニアでしょうか。いずれにしろマッドです。
 とても純情な青年なのですが、好きな人好みのロボットを作って、そのロボットと相手を結婚させてしまう。自分はロボットを操作して、ロボットを通して相手とロボットのやりとりを疑似体験……。リモート恋愛とか、遠距離恋愛の一歩上を行きますよね。性別が一緒というのでそんな回りくどいやりかたになったのか、相手のセクシャリティに配慮したからこその勝利なのか。いずれにしろすごい発想です。と思いつつ、オンラインゲームでプレイヤーキャラ同士で結婚するなんてのもありますし、そこまで現実味のない話ではないのかもしれませんね。
 パンデミック最初の感染者がいたぶられる「白鳥熱の朝に」も時事で面白かったですが、標題作「煙突の上にハイヒール」が気に入りました。自分は地味だと信じ切ってるOLが、結婚詐欺に合いかけた勢いで、日本女性初のタケコプター使いになるというお話。結局街中で目立って飛ぶとかそんなことはなく地味なままですが、地元の繁華街をセグウェイで疾走する時に感じるであろう気恥ずかしさ想像すると、目立ちたくないというOLさんの気持ちもよく分かります。
 この装置、実際にはタケコプターよりもっとずっと大きなプロペラと電池を背負って空を飛ぶものです。電池がすぐ切れるというのはタケコプターと一緒ですね。空を飛び立いと強く願うのは、ドラゴンボール世代共通の病であると信じている私としては、こんな機械ができたら是非やってみたいです。山の中で。
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by mizuao | 2010-02-18 23:33 | 本(著者ア行)