カテゴリ:本(著者ヤ行)( 18 )

山本弘「アリスへの決別」

 「Project ラブプラス for Nintendo 3DS」……。任天堂はわたしたちをいったいどこへ連れて行くつもりなんでしょう。3Dとか別にねぇ。ゲーム性とあんまり関係なさそうだしぃ。とか斜に構えてたんですが、これはずるい。プロモ見る限りAR的な要素も入ってそうなんですが、本当にできるのかどうか。というかどうやら、マーカー使用前提とはいえ、既に公式でそういうサービスがあるのですね。

 そして友人と東方のアレンジの話をしていたので、布教を兼ねて好きな曲を記録。
 R.O.D. Read or Die。ではなくて、Romantic Old Dream。曲名通り、郷愁ただよう爽やかな一曲。原曲のRomantic Childrenは重厚ですが、これは軽快です。やっぱりマリアリ曲なんですかね。木陰で本をめくるアリスさんを想像すると幸せになれますが、うっかり歌詞を考えてしまうと切なくてたまらなくなります。
 歌ってるのはガゼルさんです。こういう透明感がある声質は大好きです。同じくガゼルさんのAfter the rainも癒されました。風のEx道中のウキウキ感を残しつつ、しっとりとしています。
 Under the Quiet Moon - The Girl From Fantasy。確か、東方andボサノバとかで検索したら、ひっかかったのがこれ。だいたいどれも誰の原曲かというところまで考えて聞くのですが、これはそれとは切り離して好きです。ふた月ほど毎朝出勤時聞き続けるぐらい惚れた曲ですが、発熱巫女~ずというネタじみたサークル名で引いて、これしか聞いてなかったんですよね。一年半近く。もったいないことをしました。最近買ったLotus loveもよく聞いてます。

山本弘「アリスへの決別」
 時事風刺ネタを交えた短編集ですが、やはり標題作が一番インパクトがありました。キャロルが少女を紳士的に愛でている描写が続くので、こういう趣味ってのは実は高潔なものなんだよ、という主張かと思いきや、もうひとひねりありました。児童ポルノ禁止とかとか非実在青少年規制とかが行き過ぎると、どうなってしまうかの一例ですね。
 同じく「リトルガールふたたび」も、ネットで見たことをなんでも信じて、それが全てだと思ってしまう人たちの暴走が描かれています。ネットというのは開かれているようでいて、他のメディア以上に閉鎖的な側面もあります。ある特定の分野を見てる人の傾向は、結局似たようなものになりますしね。となると、そのコミュニティ内の優勢意見と世間の総意をはき違えてしまう人も出てくる訳です。そういう人たちがノリと勢いで文明レベルを下げていく様が、本当にありそうで面白いのです。そしてその反動の管理社会が素敵な世界に見えてしまいます。
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by mizuao | 2010-09-30 23:13 | 本(著者ヤ行)

山田正紀「神狩り」

 岐阜やら富士山やらにちょこちょこ旅行に行ってたので、本は読んでたんですが、なかなかブログを開く根性がありませんでした。夜行列車ながらで行く格安旅、揖斐の寺の生乾き即身成仏ミイラとか、長良川の鵜飼とか、富士山雨中の行軍とか、お鉢めぐりとか、記録しときたいことはいっぱいあったんですけど、いかんせんある程度テンションが高いか低すぎるかしないと日記もどきなんて書けないものです。
 さてそれで今日のプリキュアですが、最高でしたね。いや、サンシャインが全面に出始めてから、ずっと最高ですけれども。いつきの大きいお友達に大ウケしそうな設定ににたにた笑いが止まらないい大きなお友達です。奈々さん主役を聞いてちょこちょこ見てた甲斐が本当にありました。
 今日もやたらめったら男前なところを発揮しまくってました。サンシャイン。変身シーン、髪が伸びてにこっと満面の笑みを浮かべるところとか実にたまりません。気づいたら画面の前で拳を握りしめて、えーりんえーりんしてました。正しくこの手の魔法少女アニメを見て興奮するべき年齢だった時より、今現在の方が絶対のめり込み具合が高いです。自分が気持ち悪い。
 そして朝上がりきったテンションがやっと落ち着いた夕方。親がいなくて一人だったので、おつまみ作って一杯やってた訳ですが、たまたまつけていたNHKがアニソン特集。確か先週だか先々週だか、奈々さんが出てて、両親の前でガッツポーズ決めて父親にどん引きされたっけと回想してたら、なんと初っ端から、奈々さんと田村ゆかりさんのデュエットです。しかもイノスタとリトルウィッシュ。なのは1期の組み合わせです。NHK、実によくわかってますね。またここでもTVの前でえーりんえーりん大興奮です。しかも二人の衣装が、ゆかりんピンク、奈々さん黒に黄色(黄緑)とか、ファンにとってよく配慮されてます。多分二人のリボンもちゃんと意図的に結んでましたよね。とても二人ともいい歳してするかっことは思えませんが、そんなことを忘れて盛り上がれるのがアニソンの良いところです。単にその歌単独の力だけでなく、物語全体を背負ってるというのが、あれだけの人に強く受け入れられているという理由ではないかと思う訳です。

山田正紀「神狩り」
 岐阜旅行中に読んでた一冊。主人公のとんがり具合が、初期作と言われて納得できるような青臭さです。人間で遊ぶ性悪な神に対して、言語学者がその存在に近づこうと挑む話なんですが、ここまで真っ向から神様に立て突こうという話を読んだのは初めてかもしれません。ESPだったり、神だったり、超自然に理不尽なものが出てきながら、挑む方法がスパコンというあたりがSFなんでしょうか。
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by mizuao | 2010-08-08 20:34 | 本(著者ヤ行)

吉田篤弘「フィンガーボウルの話のつづき」

 つぼみを読み返していてふと思いましたが、あの先生ってどうしようもなく犯罪者ですよね。ということに4巻目にしてやっと気付きました。社会人×小五ロリ(6ですかね)はあまりにもだめすぎです。いくら乙女がしっかりしてるからって、小学生に邪な考えを抱いてはいけません。
 あきえださんのお話が4で終わってしまってそうなのが残念です。幼馴染はてっぱんです。よく言われることですが、「→←」、でもお互い気付いてないってのは、傍から見る分には、とてもおいしいのです。のほほんとした絵柄で、きゅんとくるけどあたたかい話で、私の荒んで腐った心がぽっかぽかです。ん? 温めるとより傷みがひどくなるだけな気が……。
 切ない系だと、迷えるOLさんたちの話が好きです。クールでできる女に、見た目の可愛らしさで生きてきた女が挑む。というと、ホテイさんが頑張っているようですが、実際は無自覚フェロモンのエビマヨに、ホテイさんが惑わされています。どう展開するのか、続きが一番楽しみな話であります。
 連載陣の中で、一番笑わせてもらってるのは、姉妹×2のやつですね。お前らはどこまで変態なんだ。病気さをアピールしてる話ってのは世に結構あると思いますが、この作者は本物だと私の勘が告げています。新聞紙で服作って遊んでいる無邪気な妹たちを見て、なんでそんな顔になるんでしょう。

吉田篤弘「フィンガーボウルの話のつづき」
 私が大学初期ぐらいに読んでた作品って、なぜか結構メタフィクションというか、物語を語る物語が多かった気がします。なんか一時期ブームでもあったんですかね。これも短編集になっていますが、お互いが食い合って入り乱れた形になっています。一応本筋となる章はあるのですけれども。
 短編では「小さなFB」の話の設定が好きです。どこかの雨の多い国の、レインコートの博物館。全国津々浦々色々な博物館はありますが、レインコートの博物館って、私にとってはブリキの博物館以上に郷愁を感じさせられるものがあります。レインコートなんか小学校の低学年ぐらいまでしか着なかったからでしょうか。博物館に勤める学芸員たちののんびりした会話も、レインコートの博物館という空気に合っていました。
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by mizuao | 2009-12-09 22:18 | 本(著者ヤ行)

山本弘「地球移動作戦」

 最後の一葉を読んでいて愕然としました。病気になった女の子が窓から見えるツタを見て、あの葉っぱが全部落ちたら私も死ぬの・・・という、かの有名なO・ヘンリーの短編です。もちろん何度か読んだことはありましたが、今までは思ってもみませんでした。この小説って実はGL的な解釈ができたんですね。
 まず芸術を糧とする若い女性二人が、レストランで息が合って同棲という設定が、フィルター持ちにはたまりません。そのうち一人が病気になって、もう片方が介抱というのもベタなパターンですよね。それに、病人に生きる意欲を湧かせる方法の一つとして、気になる男の人のことを考えさせる、というのを医者が推奨するんですが、それに対して友人は、「男の人が……。いいえ、先生、(病人に)そんな者は、いませんわ。ぜったいにありませんは、先生。」と答える訳です。すさまじい全否定。他にも、友人が病人に覆いかぶさってみたり、病人が友人が料理してるところを見たがったり、そっち方向に捻じ曲げる要素に事欠きません。まずいですね。一般的にいい話に分類されているであろう文学作品も、私の頭にかかればこのザマです。誰に対して謝ればいいのか分かりませんが、なんとも申し訳ない気分になりました。
 とりあえず、最後の一葉は、全力でにやにやしながら読む話ではないと思います。

山本弘「地球移動作戦」
 SFマガジンに連載されてたので、ちょくちょくと読んではいました。でもこうして通して読むと、より壮大さを感じます。
 地球に彗星が突っ込むことが分かって、それに対して人類が立ち向かう話。というと単純化できるでしょうか。でも実際突っ込んでくるのは彗星ではなく、ミラー星<シーヴェル>。しかも地球に衝突するのではなく、近くをかするだけです。ただしそれだけでも人類滅亡には十分なレベル。月だけでも潮の満ち引きが起こるわけで、月より巨大な天体が寄ってきたら、とんでもない高潮になる訳です。潮汐力は月の約五万倍という設定ですから、そりゃ陸上の生き物は滅亡しますよね。しかも放射能汚染のオプションつきらしいですし。

 で、第一部は<シーヴェル>発見。たった一つの冴えたやり方とかもそうですが、こういう英雄的な行動は、ベタだと思っていても泣かされます。遠くに行きたくて、未知のものに突っ込んで死ぬ。ロマンがあります。

 第二部は、<シーヴェル>に対してどう対処するか、二つの案の間で世界が揺れ動く話です。一つは主人公側のアース・シフト。これは小惑星を改造し、地球の近くまで移動させ、それで地球を引っ張って動かそうというもの。なおかつ<シーヴェル>接近中は小惑星が輪になって地球の周りをぐるぐる回り、それにより被害を減らせるという利点もあります。もうひとつの案は、人類の記憶を持ったバーチャル上の人格、この話だとACOMを作り、バーチャルにいる彼らに人類の未来を託そうというものです。現実の人類は絶滅すること前提の案なんですが、私は結構このネタが好きです。飛さんとか神林さんとか、この手の話はいくつか読みましたけど、完成度が上がれば、オリジナルとコピーの差ってのは気にならないと思うんですよね。多分。人類としての正しい選択は、やはりこの話のようにアース・シフト側だと思いますが。

 第三部は、いよいよ<シーヴェル>がやってきて、主人公の魅羽が活躍する話です。次々起こるトラブルにめげず、魅羽が戦う展開には胸が熱くなります。最後もうだめだというタイミングで、元カノが助けにくるところとか、何度も繰り返して読んでしまいました。

 イアーゴとか、タキオンによる未来からの災害警告とか、ACOMにプロデューサーさんがいたりとか、織り交ぜられている道具も全て楽しめました。科学的なネタに、未来へのロマン、さまざまな愛情、もろもろの要素を含んでいて、最後まで楽しく読むことができました。
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by mizuao | 2009-11-11 00:01 | 本(著者ヤ行)

米澤穂信「さよなら妖精」

 友人から住所録作りを頼まれどうしようか悩んでます。卒業アルバムに載っているのをエクセルに打ち直すだけなんですが、2クラス分となると少々手間です。いっそOCRでも使うのもいいかと思いましたが、素直にそのまま打った方が速い気もします。どうしたものか。

米澤穂信「さよなら妖精」
 日常の謎派というのですね。殺人事件のような大きな出来事が起こる訳ではなく、日常の些細な不思議を集めたもの。この本にもいくつかの謎が出てきましたが、神社と餅と先立つものはすぐに答えがわかったので満足です。
 タイトルからいってもマーヤの末路は分かっていましたが、それでもラストにがくっときました。そもそもマーヤの出身国がユーゴスラヴィアという時点でまずそうな感じはしてました。
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by mizuao | 2008-02-03 13:40 | 本(著者ヤ行)

宮村優子「電脳コイル 3」

 何か忘れていると思ったら今週のジャンプでした。「君を瓶詰めにした時に、瓶に名前を書くためだヨ。」マッドサイエンティスト様のドS発言で久々にBLEACHにガッときました。ネロとかお姉さまキャラもいたんですけど、私の好みは夜一さんなのですよ。色黒つり目の姉御キャラ。展開的にまた夜一さんが出てきてくれないか期待しています。あと蜜柑とイヴの絡みを見て、その手があったかと思いました。

宮村優子「電脳コイル 3」
 ハラケンがどんどん黒化していきます。アニメの方は後半から徐々に積極的になりましたが、こっちは早々から飛ばしています。でもフミエとヤサコがイサコを倒そうとする時いきいきとしているのに比べて、ハラケンは暗いですよね。陰湿です。
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by mizuao | 2007-11-17 22:56 | 本(著者ヤ行)

宮村優子「電脳コイル 2」

 四冊目。

宮村優子「電脳コイル 2」
 「黄色い花の紅」と「バニラ」の衝撃が強すぎたので、一巻目に感じたヤサイサの喜びは少し薄かったです。それにしてもヤサコの黒さは異常だと思います。アサウラさんのは両方主人公が中高生ぐらいですけど、私から見ても主人公達の考え方はやっぱり子供だなと思います。その子供な状態から急激に精神的成長を遂げるところに価値がある訳ですが、こっちの中高生達に比べてコイルの小学生達は大人すぎです。腹の中に一物抱えてるどころじゃ済まないのがわんさか出てきます。アニメ版では激しさはもちつつもぽややんなハラケンまで完全に黒い子です。宮村さんの考えだと、この黒さは子供故のもののようです。まあ自身を振り返っても小五くらいに一気に捻くれて世の中を斜めからみるようにはなりました。それにしても小学生とは思えない駆け引きが繰り返されています。これはこれで面白くて、物語が終わる頃に彼らがどのように変わっているのが気になります。
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by mizuao | 2007-11-17 00:18 | 本(著者ヤ行)

山田正紀「エイダ」

 今日は横国に行ってきました。なんで国立大学って、あんなにだだっ広いんでしょうね。駅から徒歩20分ほどはかかる交通の便が悪いところですから、土地は少々安いとは思いますが。それでも横浜から地下鉄で二駅ですから、良いところです。

山田正紀「エイダ」
 どうして私はメタ的な話が好きなのか。よくもまあ考えるよな・・・と感心するレベルで話が複雑です。物語内物語、さらにその物語の中の物語。この程度だったら混乱はしません。でも互いの物語が侵食しあって、どれが物語で、どれが真実かが分からない。そもそもここで定義される物語の意味を理解しきってないです。
 それにネタも豊富ですよね。ミステリ・オペラも、歴史的事実と実在の小説をよくここまで絡めたなと感心しましたが、これもすごいです。メアリ・シェリーとエイダ。フランケンシュタインの怪物と”階差機械”。どちらも創造主を食いつぶしてしまいます。これが現在の量子コンピューターによる超伝導大型粒子加速器内の超高速粒子を観測することにも通じる訳です。人間の手に余るものを作り出すとろくなことになりませんよ、ということですね。物語の本筋は別にありますけど。
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by mizuao | 2007-05-20 22:16 | 本(著者ヤ行)

山本弘「まだ見ぬ冬の悲しみも」

 今日は食品メーカーの説明会に行ってきました。食品は何かもらえるという噂は本当だったんですね。ジュース一本もらって帰ってきて得した気分です。どちらかというと食べ物に釣られやすい人間なので、その会社のイメージがぐっと良くなりました。

山本弘「まだ見ぬ冬の悲しみも」
 一番始めの短編「奥歯のスイッチを入れろ」。主人公のスペックがサイボーク009です。ジョーがいるよと思いつつ読んでました。奥歯が加速装置のスイッチってのがそのまんまですよね。009にも、ジョーが加速中に人を助けようとして、危うく逆に破壊しそうになる話がありました。
 あとは「メデューサの呪文」が面白かったですね。メデゥーサよろしく、ある言葉の羅列を聞くと、人間の脳では処理しきれなくて狂い死ぬという設定。ただ詩人だけがその言葉を乗りこなすことができます。もともとこの言葉は、高度な言語文明を持つ宇宙人の言葉で、詩人がそれを習いに行くという流れになっています。この出会いのシーンが好きです。

 「私のことはハンプティ・ダンプティと呼べ。地球上の中で唯一、言葉の正しい使い方を知る人物だ」
 僕は笑って訂正した。ハンプティ・ダンプティは実在の人物じゃない。ルイス・キャロルの書いたお話の登場人物だ。
 「ルイス・キャロルは実在すると思うのか?」
 もちろん。
「では、君は実際にルイス・キャロルに会ったことはあるのか?」
 いや、彼は二世紀以上も前に死んでいる。
「それなら君にとってルイス・キャロルは実在しない。ハンプティ・ダンプティとルイス・キャロルは君にとって等価だ。もしルイス・キャロルが実在すると主張するなら、ハンプティ・ダンプティも実在しなければならない」
 なるほど、こいつは確かにハンプティ・ダンプティだ。

 こういう詭弁は好きなんですよね。
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by mizuao | 2007-02-06 20:07 | 本(著者ヤ行)

山之内正文「八月の熱い雨」

 日曜に納会があって無事サークルは終焉しました。私にとっては。これで就活しながらでも、多少なりとも本読む余裕ができるといいんですけど。本を読めなくなったら、そもそも文学部に来た意味がなくなってしまいますから。

山之内正文「八月の熱い雨」
 ハードボイルド探偵小説?ただ主人公はいかにも誠実な面倒見のいい青年なので、ハードボイルドではないですね。面白さは可もなく不可もなくという感じです。適度に謎もあって、謎解きも単純明快で分かりやすいんですが、今後もこの作者を読みたいと思うほどではないです。
 
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by mizuao | 2006-12-19 19:00 | 本(著者ヤ行)