2008年 06月 25日 ( 1 )

春江一也「カリナン」

 久々に十二国記のシリーズを読み直してますが、やっぱり傑作ですよね。ねずみかっこいいです。楽俊の優しさに全く偽善が感じられないのは、誰かが困っていたら助けるのは当たり前だろ、という空気が感じられるからでしょうか。

春江一也「カリナン」
 この作者さまの齢の差好きに感心しました。そして悲恋好きというのもよくわかりました。まあ私がこの本に感じる魅力は色恋沙汰にはないと思うので、そんなのはどうでもよいのです。
 この方のおかげでほんの少しは東欧の知識が付きましたが、今度はフィリピンです。同じアジアに属しながら、この国に対してブルガリア=ヨーグルトレベルの意識しかなったことに気付きました。せいぜいバナナで、例によって戦争中迷惑をかけたらしい・・・ぐらいなものです。実際は結構日本とも関わりのあった国なんですね。戦前は国民性である謙虚さと勤勉さを発揮してフィリピンに根付こうとしていた日本移民が、戦争中いかに全体主義に巻き込まれていったのかが伝わってきます。それに現代フィリピンの問題ですね。日本でも下流社会とかなんとか言われてますけど、フィリピンのそれは全く日本の比ではなさそうです。この話はフィクションですので本当にそうなのかはわかりませんが、下層は下層で開き直り、一方知識人は自国を嫌い、見放してしまったら、その国はもう立ち直りようがないのではないでしょうか。
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by mizuao | 2008-06-25 23:04 | 本(著者ハ行)