アサウラ「黄色い花の紅」

 二冊目。

アサウラ「黄色い花の紅」
 かっこいいお姉さまがやくざの組長の娘を守る話だと思ってました。実際第一部は奈美恵さんという私以上の女尊男卑論者が、追い詰められた紅花を救出し、降りかかる火の粉を払いのけます。「女に拳を振り上げ、銃を突きつける男は死ねばいい。一人として逃がしはしない。全員ぶっ殺してやる。」名言ですよね。私もいつか使ってみたいところですが、せめて奈美恵さんクラスの強さがないと、言ってもかっこがつきません。
 奈美恵さんに母を見、信じて頼り切る紅花と、そんな彼女を「仕事ではなく、建前ではなく、自らの想いに従い」守りたいと望む奈美恵。この二人の信頼関係はすごいものです。この状態のまま話が続いてもそれはそれでありだと思いますが、ここで終わらないのがよかったです。奈美恵さんの途中リタイアからの紅花の成長に感動しました。
 この話では日本でも一般人の銃の所持が合法化され、もちろんライセンスの取得や納税などの手間はあるものの銃の所持に対する敷居がぐっと低くなっています。紅花もそんな環境の中、保護されている工藤商会(武装した何でも屋)で鍛えられていきます。とは言っても、全くど素人だった紅花が止まった状態での静止的への射撃を覚えるだけですが。この辺の過程で親切に基礎知識の解説があり嬉しかったです。この作者も深見さんと同類らしく、銃関連が激しいです。
 自分のことは自分で守ると決意した紅花は、この後さして時間のないまま実戦に投入されます。もちろん紅花は工藤商会の味方に守られ、何発も撃つものもあまり役に立ちません。それでも逃げずに最後まで戦い抜いた彼女は本当に強くなったと思います。最後の父親との一幕も見せられました。少女が成長する物語として、とても楽しめました。
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by mizuao | 2007-11-16 14:38 | 本(著者ア行)
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