安倍公房「砂の女」

 色々とストレスがたまるので、自然に読書量が増えていきます。一昨日も面接前日に緊張して寝れなくて、スパイラル15巻読破してしまいました。

安倍公房「砂の女」
 最近はまりつつある安倍公房。代表作ということで読んでみましたが、面白かったですね。本当に。 あらすじをよんで「高野聖」のような話を想像していましたが、当たり前ですが似て非なるものでした。高野聖は徳の高いお坊さんで、こっちは俗人の教育者です。
 ”砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々”
 砂丘の谷間に閉じ込められた男は、家の周辺を侵食してくる砂を、ひたすらかき上げ続ける仕事を強制されます。すくってもすくっても、侵食してくる砂。すごい虚無感に満ち溢れそうな作業ですよね。賽の河原で石を積むような。こんなことを続けていたら、気が狂ってしまいそうです。
 さて、さんざん脱走計画を立て、部落に閉じ込められることを嫌っていた男は、最後逃げるチャンスに直面してある決断をします。・・・というか、決断をしないという決断なのか?まあ逃げるチャンスを自らふいにする訳ですが、この辺の心理がなかなか面白いと思いました。
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by mizuao | 2007-03-08 23:14 | 本(著者ア行)
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