小川一水「老ヴォールの惑星」

 朝から柔道着にアイロンかけてました。昨日の朝洗濯した分が乾きません。まあこの天気なら乾かなくて当たり前ですが、今日昼から演武会に召喚されているので、とっとと乾いて欲しいです。濡れたままの道着を着るのは合宿の時だけで十分です。

小川一水「老ヴォールの惑星」
 去年のベストSF国内篇第一位をとった作品で、中短篇が四つ収められています。人に貸してもらって読みましたが、もしかして読み損ねていたらどれだけもったいなかったかを真剣に考えてしまいます。
 「ギャルナフカの迷宮」は地下迷宮になっている監獄に閉じ込められた男の話です。この迷宮に投獄された政治犯たちは、水場と餌場が一箇所だけ印された地図と他の人間を威嚇するための石だけを持って徘徊しています。餌場と水場の間はわざわざ距離をとってあるために、一箇所に留まることもできません。閉じ込められた囚人が互いに疑心暗鬼となって、正常な人間性を失うように設計されています。そんな中で主人公がいかに、他の囚人たちの人間性を取り戻させ、一致団結して洞窟を脱出するか・・・なんですが、この手の極限状態での人間の工夫話が好きなので、とても楽しめました。ロビンソン=クルーソとかモンテクリスト伯の牢獄生活とかのノリで。努力して技術を編み出す度に、どんどん生活が便利になり、発展していく過程は見ていて感動します。
 「老ヴォールの惑星」は絶滅の危機に瀕した地球外生命体が、外の世界に行こうとする話です。この手の話の筋はよくあると思うので、いかに奇妙な知生体を考え出すかが、面白いかどうかの一種の目安となると思います。その点で見ると、私的にはヴォールよりも「幸せになる箱庭」のビーハイブ人の方が愛嬌があってかわいかったです。
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by mizuao | 2006-05-14 11:38 | 本(著者ア行)
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