映画といえば今度またガメラだかモスラだかを撮っているみたいですが、どうせ特撮ものをやるなら有川さんの作品を映画化すればよいと私は思います。「海の底」「空の中」とかだと、敵(?)はでっかいし、かっこいい自衛官とか子供たちが大活躍してるし、お正月映画とかで子供に受けること間違いなしです。「海の底」だとレガリスはひたすらぶっ潰すべき対象でしかなく教育上よろしくないかもしれませんが、「空の中」だと謎の生命体との心温まる交流というオプションがつきます。是非どうでしょう(笑)
深見真「ブロークン・フィスト1 戦う少女と残酷な少年」「ブロークン・フィスト2 傷だらけの遠い明日」 最近お気に入りの深見さんのアクション・ミステリー小説。高校空手部(一巻で諸事情により廃部したため、以後格闘研究会)に所属の女子高生秋楽と、同じく空手部所属で秋楽の弟分的存在の闘二が主人公です。空手をはじめとして、日本の武術が山ほどでてきて、そのアクションシーンは下手なアクション映画よりよっぽど迫力があります。富士見ミステリー文庫第一回大賞受賞作なのでもちろんミステリーにもなってますが、ミステリーだということを全く忘れてしまうぐらいアクションが面白いです。主人公秋楽の戦い方や、強くなりたいという熱意にあてられて、こっちまで燃えてきて筋トレ始めたくなります。 ミステリーとしてはどうかというと……二巻はともかく一巻がそれでいいのか!とか言いたくなります。小説内で主張してるとおり完全な密室殺人ですが、トリックが…。古いラノベでこれから読む人も少ないと思うのでネタバレいきます。被害者は密室で胸を背中から強打したようになって死んでるんですが、もちろん部屋の中に凶器も人の入った形跡もなく、どうやって殺されたかわかりません。最後に名探偵闘二君によって明かされる事実によると、犯人は被害者のよりかかっていた壁の裏側から、被害者を殴り殺したということ。浸透勁とか徹しとか。ようは二重の極み(だったか)みたいなもんっすね。衝撃が上手く伝わることで遠くのものも破壊できるというアレです。ミステリーとしてこれはどうなんでしょうか。って栄えあるミステリー賞の第一回にこの作品を選んだ人たちが不思議です。まあこれで発掘されたおかげで、深見さんの作品が読めるのでもちろん感謝はしていますよ。
by mizuao
| 2006-03-26 22:04
| 本(著者ハ行)
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