恩田陸「いのちのパレード」

 つい先日、人生において深刻な選択ミスをやらかしたことに気づきました。
 それだけは絶対にない、と思っていたからこその盲点…。
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 ………私って、女子校の先生を目指すべきだったのではないでしょうか。

 高校の始めの頃やらされた、うさんくさげな職業適性試験(学力+性格診断)で、だいたいの職業が「適性あり」の判定の中、数少ない不適性な職種が学校とか幼稚園の先生でした。この結果は自分でも大変納得のいくものだったと思います。厳しくも優しく、悩める青少年を教え導く聖職なんて、とても私に務まるものではありません。当時の私も強くそう感じていましたし、あんなに損な職業を選ぶなんて物好きだなぁと思ってました。
 しかし、今となってはこう思うのです。青春を謳歌する女生徒達とともに学園生活を過ごし、彼女たちの幸せの礎となることができるのは、大いなる喜びなのでないかと。
 テストの点とか友人関係とか、ちょっとしたことで一喜一憂する多感な彼女たちを見守り、サポートすることで、労働の素晴らしさを感じられるのではないかと。

 まあつまり何が言いたいかというと、女の子たちのきゃっきゃうふふを、最前線で観賞し続けることができる女子校の先生って最高じゃね?ということです。
 しかしここまで考えてふと思ったんですが、女子校で先生やってる男性って何でわざわざ女子校を選んだんでしょうね?「先生のセクハラに負けない」とかいうクラス目標立てられかけたり、「イケメンは就職の面接で落とされている」とかいう失礼な噂を立てられたり、小娘たちに馬鹿にされても先生をやり続ける理由はなんでしょう?
 そりゃまあ他に就職先がない、とか、金のため、とかもちろん現実的な理由なんでしょうが、それでは面白みがありません。私は愚考します。彼らもまた私の同族なのではないかと。そう考えると、遠い存在だった先生たちの存在が、一気に親しみやすく低俗なものになりますね。

恩田陸「いのちのパレード」
 奇想ネタ短編集。長編と違って人間関係の掘り下げが少ないので、強く感情が揺さぶられたりということはありませんが、さすが恩田さん。一つ一つのネタが強烈です。
 例えば「当籤者」。国民全員参加の宝くじで、当選者のもとに通知が送られてきます。これで当選者が普通にお金をもらえるなら何の物語にもなりませんが、お金をもらえるのは当選者ではなく、当選者を殺した人、という設定。無差別で送られてくる赤紙とか恐ろしすぎますよ。自分が当選者であることを悟らせないように頭を悩ませ、考えれば考えるほど挙動不審になってしまう。疑心暗鬼に陥らざるおえないという、とてもえぐい設定です。ほんとよく思いつきますよね。これ「SGOROKU」あたりは、是非長編でも読んでみたいです。
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by mizuao | 2011-02-20 22:39 | 本(著者ア行)
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