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吉田篤弘「フィンガーボウルの話のつづき」

 つぼみを読み返していてふと思いましたが、あの先生ってどうしようもなく犯罪者ですよね。ということに4巻目にしてやっと気付きました。社会人×小五ロリ(6ですかね)はあまりにもだめすぎです。いくら乙女がしっかりしてるからって、小学生に邪な考えを抱いてはいけません。
 あきえださんのお話が4で終わってしまってそうなのが残念です。幼馴染はてっぱんです。よく言われることですが、「→←」、でもお互い気付いてないってのは、傍から見る分には、とてもおいしいのです。のほほんとした絵柄で、きゅんとくるけどあたたかい話で、私の荒んで腐った心がぽっかぽかです。ん? 温めるとより傷みがひどくなるだけな気が……。
 切ない系だと、迷えるOLさんたちの話が好きです。クールでできる女に、見た目の可愛らしさで生きてきた女が挑む。というと、ホテイさんが頑張っているようですが、実際は無自覚フェロモンのエビマヨに、ホテイさんが惑わされています。どう展開するのか、続きが一番楽しみな話であります。
 連載陣の中で、一番笑わせてもらってるのは、姉妹×2のやつですね。お前らはどこまで変態なんだ。病気さをアピールしてる話ってのは世に結構あると思いますが、この作者は本物だと私の勘が告げています。新聞紙で服作って遊んでいる無邪気な妹たちを見て、なんでそんな顔になるんでしょう。

吉田篤弘「フィンガーボウルの話のつづき」
 私が大学初期ぐらいに読んでた作品って、なぜか結構メタフィクションというか、物語を語る物語が多かった気がします。なんか一時期ブームでもあったんですかね。これも短編集になっていますが、お互いが食い合って入り乱れた形になっています。一応本筋となる章はあるのですけれども。
 短編では「小さなFB」の話の設定が好きです。どこかの雨の多い国の、レインコートの博物館。全国津々浦々色々な博物館はありますが、レインコートの博物館って、私にとってはブリキの博物館以上に郷愁を感じさせられるものがあります。レインコートなんか小学校の低学年ぐらいまでしか着なかったからでしょうか。博物館に勤める学芸員たちののんびりした会話も、レインコートの博物館という空気に合っていました。
by mizuao | 2009-12-09 22:18 | 本(著者ヤ行)
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